この道の先がどうなっているかなんてわからないけど変わらずに進もうと思う。

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最終更新日 2018.6.1

24で独立。

どこに行っても「すごいね!」って言われた。

返す言葉は「まぁね。」

天に向かって赤い鼻がそびえ立つ。

自分で商売をする親父の背中を見て育った。

だから自然と独立。というわけではない。

別にうちは裕福でもなかったし。

搾取することをナリワイとする大人に見せられてしまったからだ。

金持ちの世界を。

欲すれば欲するほど妄想と現実は乖離していった。

成功への階段と思い込み、破滅への階段をよじ登る。

破滅の一歩手前で起死回生の一手。

あの頃に立てた目標を30手前で掴みかける。

もっと高く飛べると信じその手で振り払った。

ぬかるみだった足元は泥沼と化していく。

35を迎えたころに残ったのは気の遠くなるような負債。

こんなはずじゃなかったと後ろを何度も振り返る。

もはや進むことも戻ることもできない。

ある日、妻が何気なく言った。

「少しずつ夢に向かっている」

あーそうだったのか。